インターネット上の情報が企業のイメージや信頼性に大きな影響を与える現代、検索エンジン対策はもはや無視できない重要課題となっています。

特に、根拠のない誹謗中傷や事実と異なる情報による「風評被害」に頭を悩ませている企業担当者も少なくありません。

こうしたネット上のリスクに対処する手法として、「SEO(検索エンジン最適化)」と並んで注目されているのが「逆SEO(リバースSEO)」です。

しかし、両者の違いや目的を正確に理解していないと、適切な対策を講じることは難しいのが現実です。

この記事では、SEOと逆SEOの基本的な考え方や、それぞれの特徴・効果的な活用シーンについて詳しく解説します。

 

 

SEO対策とは?

 

SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、自社のWebサイトやページがGoogleなどの検索エンジンで上位に表示されるように、調整・改善を行う施策のことです。

検索順位を上げることで、ユーザーの目に留まりやすくなり、集客や認知度の向上につながります。

SEO対策には主に以下の2つの側面があります。

 

 

内部対策(オンサイトSEO)

 

サイトの構造やコンテンツを検索エンジンにとって理解しやすくする取り組みです。

具体的には、タイトルタグやメタディスクリプションの最適化、ページの読み込み速度の改善、スマートフォン対応、そしてユーザーにとって有益なコンテンツの充実などが挙げられます。

 

 

外部対策(オフサイトSEO)

 

他のWebサイトからの被リンク(バックリンク)を獲得することで、検索エンジンからの信頼性を高める施策です。

質の高いサイトからの自然なリンクが多いほど、検索順位が向上する傾向があります。

企業にとってのSEO対策は、単なるアクセス数の向上だけでなく、信頼性やブランドイメージの強化にもつながる重要な施策です。

特に、自社に関するポジティブな情報を検索上位に表示させることで、ネガティブな情報の影響を間接的に抑える効果も期待できます。

これが、風評被害対策を進める上でSEOが注目される理由の一つです。

 

 

逆SEOとは?

 

逆SEO(リバースSEO)とは、検索結果においてネガティブな情報の掲載されたページの順位を下げることを目的とした施策です。

特に、企業名や商品名を検索した際に、悪評や誤った情報が上位に表示されると、ユーザーの信頼を損ね、企業のイメージや売上に深刻なダメージを与える可能性があります。

こうした風評被害を抑える手段として、逆SEOは有効です。

逆SEOの基本的な考え方は、「問題のあるページ自体を削除する」のではなく、それ以外のポジティブまたは中立的な情報を検索上位に表示させることで、ネガティブな情報を相対的に下位へ押し下げることです。

 

具体的な対策には以下のような方法があります。

 

・自社公式サイトやブログを強化し、検索上位に表示させる

・プレスリリースやニュースサイトへの掲載を通じて、信頼性の高い情報を拡散する

・SNSやQ&Aサイト、口コミサイトなどで好意的なコンテンツを増やす

・被リンクや内部リンクを活用し、良質なページの検索評価を高める

 

ただし、逆SEOは短期間で効果が出るものではなく、継続的な対策と専門的な知識が求められる分野です。

また、検索エンジンのガイドラインに反する操作(例:不正なリンク操作や情報の偽装など)は、ペナルティの対象となるため注意が必要です。

企業として健全なブランドイメージを守るためにも、正当かつ戦略的な逆SEOの活用が求められます。

 

 

SEO対策と逆SEOの主な違い

 

SEOと逆SEOの特徴について解説しましたが、大きな違いがいくつもあり、似ている言葉ではあるもののやり方は大きく異なっていることがわかります。

 

  SEO 逆SEO
目的 自社のサイト・ページを検索結果のページに上位表示させる ネガティブな情報を検索結果で下位に押し下げる
ターゲット 自社サイト・コンテンツ 第三者が作成したネガティブな情報が書かれたサイトなど
主な施策 ・サイト構造の最適化

・コンテンツ強化

・被リンク獲得 など

・自社や関連する良質なコンテンツを複数作成

・検索上位に表示されるページの順位を相対的に引き下げる

活用目的 ・集客・売上アップ

・ブランド認知の向上

・風評被害の軽減

・ブランドイメージの保護

施策対象 主に自社がコントロールできるサイトやページ 他社が作成したサイトに対して間接的に影響を与えられる
施策の難易度 比較的体系化がされており、施策も明確 戦略性が高く、成果が出るまでに時間がかかることが多い

 

SEOと逆SEOは対立するものではなく、目的に応じて併用するのが効果的です。

例えば、ポジティブな自社コンテンツを強化することは、SEOによる集客にもつながりながら、逆SEOとしてネガティブ情報の相対的な順位低下にも貢献します。

 

 

【目的別】SEO対策・逆SEO対策の正しい使い分け

 

SEO対策と逆SEO対策は、上記でもご紹介したようにそれぞれ目的に合わせて使い分けをするのが効果的です。

ここで、SEO対策と逆SEO対策の施策を目的別に使い分けた場合をご紹介します。

 

 

検索エンジン経由での集客や売上を増やしたい場合

 

検索エンジン経由からの集客効果を高めたい場合や、売上のさらなるアップを目指している場合はSEO対策がおすすめです。

自社の商品・サービスをより多くの人に知ってもらいたい、見込み客をWebサイトに呼び込みたいなどは、SEO対策が有効となります。

この場合の取るべき施策は、キーワード設計やコンテンツ作成、サイトの構築改善、モバイルフレンドリー対応、被リンク獲得によるドメインパワーの向上などが挙げられます。

 

 

ネガティブな情報・風評が検索結果に表示されている場合

 

自社サイトを検索した際に、上位表示のサイトやページの中でネガティブな情報が表示されてしまう場合、逆SEO対策がおすすめです。

例えば企業名と評判、商品名と実際に起きたトラブルなどで検索した際に悪意のあるコンテンツ・レビューが上位表示されている場合、このまま放置していると企業側にとっても悪い影響を及ぼす可能性が高いです。

逆SEO対策であれば、ポジティブまたは中立的な情報の発信を強化したり、高品質なコンテンツを複数用意して、検索結果の上位サイトを自社で占めたりするのが適しています。

 

 

ブランドイメージを長期的に守りたい場合

 

自社のブランドイメージをできるだけ長く守りたい場合は、SEOと逆SEOによるハイブリッド対策が適しています。

SEO対策なら風評被害のリスクを事前に防ぎつつ、企業の信頼性を高めたい場合におすすめです。

また、逆SEOと組み合わせることで戦略的アプローチも効果的になります。

例えば検索結果の1ページ目に自社関連の良質な情報を集中させたり、否定的な情報が見えないよう常にポジティブな発見をし続けたりすることが大切です。

競合他社とキーワード対策の差別化を図ることも重要となります。

 

 

逆SEO対策を実施した場合のリスク

 

逆SEO対策は特定のサイトの検索順位を下げたい場合に、有効な手段です。

しかし、グレーな逆SEO対策を行うことで、様々なリスクが起こる可能性があります。

ここで逆SEO対策を実施した場合のリスクについて解説します。

 

 

検索エンジンからペナルティを受ける可能性がある

 

逆SEO対策の手法によってはスパム行為や不正なリンク操作などに該当する可能性もあり、検索エンジンのガイドラインに違反している可能性があります。

悪質な手法を用いてしまうことで、対象サイトだけでなく、実施したサイト側もペナルティを受けてしまうことになります。

万が一不正を働いてしまった際には、自社サイトがブラックリストに登録されてしまい、キーワードで検索しても結果に表示されなくなる可能性があります。

これによって検索順位も下がってしまい、トラフィックの減少やビジネス機会の損失にもつながるでしょう。

 

 

法的責任を問われる可能性もある

 

逆SEO対策には法的責任が問われる場合もあります。

例えば誹謗中傷・名誉毀損に該当する行為は、相手企業または個人から民事訴訟を起こされる可能性もあるので注意が必要です。

また、誹謗中傷やデマ情報の発信は業務妨害罪などに問われる可能性があり、刑事責任を果たすことになるかもしれません。

裁判によってどのような判決が下されてしまうかは分かりませんが、そもそも裁判沙汰になってしまうことで会社の信頼性が大きく損なわれてしまう可能性が高いです。

 

 

企業に対するイメージが低下する

 

逆SEO対策を行っていることが他の取引先や顧客などに知られた場合、企業に対するイメージが低下する可能性もあります。

特に競合他社の多い業界では不正を行った企業として報道されるかもしれません。

そうなれば、これまで企業の信頼性やブランドがこれまで築き上げてきた価値などもすべて失ってしまいます。

 

 

逆SEOによる風評被害を受けてしまったら?

 

逆SEO対策は自社が受けてしまう可能性もあります。

例えばこれまでは検索順位の上位だった自社サイトが、突然別のサイトに置き換わってしまうなどです。

万が一逆SEOによる風評被害を受けている場合には、専門業者に相談・依頼するのがおすすめです。

SEO対策・逆SEO対策に関する豊富な知識を持つプロから、自社に適した対策をアドバイスしてもらうことで、逆SEOによる風評被害を受けてしまっても問題ないでしょう。

業者を選ぶ際にはどんなことに対応できるのか、予算との兼ね合いに問題はないか、実績は豊富か、などをチェックしてください。

 

 

 

今回は、SEOと逆SEOの特徴と違い、正しい使い分けの方法などをご紹介しました。

SEO対策と逆SEO対策は似た言葉ではあるものの、施策内容や特徴などは大きく異なり、同時並行で利用されることも少なくありません。

ただし、逆SEO対策は手法によって法的リスクの高いものもあることから、ノウハウがない状態でむやみに行ってしまうと損害賠償請求などを受けてしまう可能性があります。

逆SEO対策を実施する際には、違反行為に該当しない適切な方法で行うようにしてください。

万が一不安な場合には、SEO対策・逆SEO対策の実績が豊富なプロに相談するのがおすすめです。