インターネットの普及に伴い、消費者の購買行動も変化していることから、商品・サービスを提供する企業側も柔軟に対応していく必要があります。

特にWebを活用した集客方法は、現在当たり前のように取り組まれていているものです。

しかし、中には特に計画も立てず、取り組んでいる人もいるかもしれません。

戦略を立てずにWeb集客を始めても、効果を最大化できなかったり、自社に合わない施策に取り組んだりすることで失敗に終わる可能性があります。

そこで今回は、Web集客の主な施策や戦略の構築方法についてご紹介します。

Web集客に取り組んでいるもののなかなかうまくいかない、戦略を立てて効果を最大化させたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

 

Web集客をするのになぜ戦略が必要なのか?

Web集客の施策を行うのに、なぜ事前に戦略を構築する必要があるのでしょうか?

まずは、戦略の必要性について解説します。

 

明確に達成したい目的があるから

Web集客で戦略が必要な理由として、目的の達成が挙げられます。

多くの企業にとってWeb集客における大きな目的は、Webを活用した施策を取り入れて、集客を増やすことです。

目的という名のゴールは見えていても、そのゴールはどの道を進めばいいのか分からなければ、いつまで経ってもゴールに到着できません。

ここでいう「道」が戦略になります。

戦略を構築することで効果の最大化を図りながら、効率的に目的達成を目指すことができます。

 

リソースが限られているから

戦略が必要な理由として、企業のリソースが限られている点も挙げられます。

例えばリソースが無限にあるなら、わざわざ戦略を立てなくても思いついたことをすべて実行すれば良いことになります。

しかし、リソースはどの企業にとっても有限です。

例えば中小企業の場合、利益につながる本業を優先しつつWeb集客に取り組むためには人材が必要です。

人材が必要であることはわかっているものの、人件費などの影響や人手不足が続いていることもあり、リソースを十分に割けない会社もあるでしょう。

限られたリソースの中でWeb集客を成功させるためには、リソースをどのように使い、どういった優先順位で行っていくかなどを決める必要があります。

そのために戦略を構築することが重要となってくるのです。

 

Web集客における主な施策

Web集客の戦略を立てる前に、そもそもどういった施策があるのか理解しておく必要があります。

そこで、Web集客における主な施策とその特徴について解説していきましょう。

 

主な施策 特徴
SEO(検索エンジン最適化)対策 検索エンジン(Google・Yahoo!など)からの評価を高めて検索結果の上位に自社サイトが表示されるようにする方法。
リスティング広告 検索キーワードに連動し、検索結果の上位に表示される広告。検索キーワードの競合性によって1クリックの単価が異なる。
SNS運用 XやInstagram、Facebook、TikTokなどのSNSに企業アカウントを作成し、有益かつ正確な情報を発信。ユーザーとリアルタイムで交流することも可能。
被リンク活用 他のWebサイトから自社サイトに移動するためのリンク。被リンクの多いサイトは検索エンジンから信頼性や権威性があるとして評価されやすい。
メールマーケティング 定期的にニュースレターやキャンペーン情報をメールで配信することにより、リピート訪問を促す手法。
インフルエンサーマーケティング YouTubeやSNSなどで影響力のあるインフルエンサーに自社の商品・サービスを紹介してもらう方法。ブランドイメージの向上や認知拡大につながる。

 

Web集客の戦略を構築する方法

実際にWeb集客の戦略を立てる場合、どのような流れで構築すれば良いのでしょうか?

ここで、Web集客の戦略を構築する方法とその流れについて解説します。

 

目的や目標を明確にする

Web集客の戦略を立てる上で、まず重要となってくるのは目的・目標の明確化です。

Web集客で何を実現したいのかによって、成功の定義や方針などが変わってきます。

Web集客を行う目的はその事業によって異なるものの、例えば売上アップや認知度の向上、新規顧客の獲得などが挙げられます。

これらの目的を定めておかないと、具体的な戦略を構築できず、方向性まで曖昧になってしまう可能性が高いので注意が必要です。

 

ターゲットを設定する

目的や目標が定まったらターゲットを設定する必要があります。

いくら商品・サービスが優れていたとしても、ターゲット層を見誤ってしまうと成功にはつながりません。

Web集客の戦略を構築するためにも、まずは自社の強みに合わせてペルソナを作りましょう。

ペルソナは自社にとって理想の顧客となる架空の人物像、または商品・サービスを利用する典型的なユーザー像です。

ペルソナを設定する際には、以下4つの属性について細かく設定していきます。

 

・デモグラフィック:年齢や性別、職業など人口統計学上のデータによる分類

・ジオグラフィック:居住地や活動範囲など地理学的な統計データによる分類

・サイコグラフィック:価値観や趣味、ライフスタイルなど心理的要素による分類

・ビヘイビアル:購入経験の有無や購入頻度など顧客の行動パターンによる分類

 

現状分析・競合調査を行う

次に自社の現状分析と競合調査を実施します。

自社の強み・弱みから市場でのポジションまでを把握することで、ターゲットにどのような価値を提供できるかが見えてきます。

また、現状分析を行って強みを認識すれば、ブレずに一貫性のあるWeb集客をすることも可能です。

外部環境を把握できる競合調査により、競争優位性を理解することもできます。

 

カスタマージャーニーマップを作成する

次に、顧客が商品・サービスを認知してから購買行動に至るまでのプロセスを示す「カスタマージャーニーマップ」を作成していきます。

カスタマージャーニーマップを作成しておくと、どのチャネルで見込み顧客は自社のプロダクトとの接点がつくられ、どういった商品・サービスに関心を持ち、どのようなルートから購入・契約に至るかが時系列で整理できます。

各プロセスによって最適なアプローチ方法も変わってくることから、Web集客の戦略を立てる上でも重要な要素です。

 

施策の内容と優先度を決める

調査や分析、カスタマージャーニーマップの作成が完了したら、いよいよ施策の内容を決めていきます。

目的・目標に合わせてどのような施策を取るのが最適なのかを決定しましょう。

例えば自社が運営するECサイトへの流入数増加を目標にしている場合、SEO対策やSNSでの情報発信などが効果的です。

また、リピーターの増加を目指すなら、メールマーケティングの活用や会員向け特典・キャンペーンの提供などでリピーターを増やしていきます。

限られたリソースの中で複数の施策を実行する際には、優先順位をつけましょう。

高い効果が期待でき、なおかつ緊急性の高い施策から始めてみてください。

 

集客後の導線を設計する

Web集客には様々な施策が存在しますが、最終的にコンバージョンにつながらなければ意味がありません。

例えばインパクトのあるWeb広告を出稿し、話題を集められたとしても、最終的に売上が上がっていなかったり、資料のお問い合わせ件数が増えていなかったりすれば、その施策は適していなかったことになります。

Web集客の本質は収益性の最大化であり、見込み顧客の獲得やリピーターの増加などはそのための手段に過ぎません。

そのため、集客をしてから成果に結びつくように、しっかりと導線を設計しておくことも重要です。

例えば見込み顧客のファン化を促進させるホワイトペーパーを提供したり、会員登録や資料請求などの入力フォームを最適化させるEFOなどを行ったりします。

また、サイトを訪問したユーザーの購買意欲をかき立てられるようなサイトの導線設計も大切です。

 

 

今回は、Web集客の主な施策や戦略の構築方法についてご紹介してきました。

Web集客は戦略を立てずに行っても多少の成果が期待できるかもしれませんが、その効果を最大限享受できるとは言えません。

限られたリソースの中で効率的にWeb集客を行うためにも、まずは戦略をしっかりと立ててから臨むようにしましょう。