風評被害対策は、事前の予防はもちろん実際に被害が発生した際の対応が重要です。

風評被害自体はどのような会社でも起こる可能性がありますが、具体的な対策は講じていないという事業者も数多くあります。

安易に考えて何もしないでいると、後々風評被害に苦しみ、事業を続けることも困難になってしまう可能性もあるのです。

今回は、小規模事業者向けの風評被害対策として、風評被害が発生しやすい場所や対策手順をご紹介します。

 

 

風評被害が発生しやすい場所を理解する

 

まずは、対策を講じるにあたって風評被害が発生しやすい場所がどこなのか理解しましょう。

風評被害が発生しやすい場所は、主にSNSやブログ、Webサイトなどのオンライン上です。

特に匿名性が高いSNSではすぐに多くの人数と関われるため、少しの情報であっても瞬く間に拡散してしまいます。

軽い気持ちで発信した内容に尾ひれがつき、虚偽の投稿が相次ぐような事態になるのです。

同様にブログも匿名性が高いため、SNSに次いで風評被害が発生しやすいです。

匿名性が高い場所は個々が自分の意見を発信しやすいだけでなく、個人情報を入力する必要がないため、責任を問うことも難しくなります。

また、WebサイトはそんなSNSやブログなど複数のプラットフォームと連携していることで、風評被害が発生する可能性が高いです。

風評被害には、まず匿名性が高いSNS・ブログ・Webサイトを中心に対策を講じていく必要があります。

 

 

風評被害対策の手順

 

続いて、風評被害対策の手順をご紹介します。

 

 

SNSやブログ活用に伴うガイドラインを作成する

小規模事業者であっても、コンプライアンス教育やルールの策定は必要不可欠です。

風評被害対策として重要なのは、リスクになり得る可能性をできる限り最小限にすることです。

従業員や退職者などがSNSやブログを活用する際には、たとえ個人のアカウントであっても、風評被害につながるような情報発信を行わないよう徹底しなければなりません。

自社用のSNSアカウントについても、運用におけるルールや利用に関する指針を決めておくと良いでしょう。

コンプライアンス研修を実施する際には、正社員はもちろん、パートやアルバイトなどすべての従業員に向けて行い、ガイドラインが確実に浸透するよう努めなければなりません。

特に企業情報の取り扱いや適切な表現方法を徹底しておけば、関係者による不用意な発信は防げます。

また、教育や研修は一時的なものではなく、定期的に実施する機会を設けることが重要です。

 

 

モニタリング体制を構築する

 

風評被害を未然に防ぐためにも、自社で発信している活動においては必ずチェックを行っておかなければなりません。

継続してチェックしておくようにすれば、風評被害につながりそうな発信を迅速に消去できます。

仮に不用意な発言や行動を取った従業員がいた場合でも、このようにモニタリング体制が構築できていれば、被害を最小限に抑えられます。

オンライン上において、自社の関連情報や炎上につながりそうな情報は定期的にチェックし、早期発見できる体制に整備しましょう。

 

 

クライシスコミュニケーション体制の構築

 

風評被害が実際に発生した時に備えて、クライシスコミュニケーション体制を構築しておくことも重要です。

クライシスコミュニケーションは、風評被害のように自社に対して何らかのリスクとなる事案が発生した場合に適切に対処する危機管理対応です。

顧客や取引先、メディアなどにどのような対応を行うべきなのかを明確にしておけば、迅速な対処が可能になります。

また、小規模事業者では、風評被害が発生した場合に従業員間での情報共有がしやすいため、問題が発生してから解決するまでの流れが速いです。

クライシスコミュニケーション体制を整備することで、リスク管理だけでなく業務効率化や顧客満足度向上にもつながる可能性があります。

 

 

専門家に相談する

 

自社なりに風評被害対策を行っていても、実際に被害が発生した場合、円滑に対応できず通常業務に支障が出ることもあります。

そもそも、自社だけで風評被害対策を整備するには不安がある場合や、十分でない場合もあるかもしれません

風評被害が発生した場合にどのように対処するべきなのか、ガイドラインの策定に迷ったら、弁護士や専門家に相談してみることも方法の一つです。

専門家の視点で適切なアドバイスや対処法を教えてもらえれば、実際に風評被害が起こってしまっても安心です。

 

 

風評被害対策サービスを導入する

 

小規模事業者の場合、風評被害対策を行いたくても体制を整備すること自体難しい場合もあるでしょう。

その場合は、風評被害対策サービスの導入を検討してみてください。

風評被害対策サービスは、先にも紹介したようなモニタリング対策の構築やクライシスコミュニケーション体制の整備などを実施してくれるサービスです。

現在様々な企業で風評被害対策サービスを提供しているため、自社に合った内容のサービスを利用しておくのもおすすめです。

ネガティブサイトやネガティブキーワード対策のほか、ガイドラインやマニュアル作成、研修を実施してくれるところもあります。

 

 

実際に風評被害が発生した時の対処法

 

どんなに対策していても、風評被害を完全に防ぐことは困難です。

ここでは、実際に風評被害が発生した時の対処法をご紹介します。

 

 

事実確認及び証拠の収集

 

風評被害が発生した場合は、まずはその内容をしっかりと把握し、事実確認とスクリーンショットや発信源のURLなどの証拠収集を行います。

影響がどこまで広がっているのか、拡散の状況も確認し、被害内容と影響を記録しましょう。

事実確認を行う際には、ソーシャルリスニングツールを活用するのが便利です。

ソーシャルリスニングツールは、SNS・ブログ・口コミサイト・掲示板といったネット上の情報を収集し、分析できるツールのことです。

マーケティング戦略やサービス改善としても活用されますが、風評被害対策としても活用されています。

ソーシャルリスニングツールを使えば、事実確認はもちろん、どのような人々がその投稿に反応しているかをすぐに分析できるため、すぐに最適な対処法が明確になります。

また、この時点でさらなる被害拡大を防ぐため、正しい情報を発信しておかなければなりません。

 

 

発信源となった投稿を削除

 

続いて、発信源となった投稿の削除を依頼しましょう。

投稿の削除依頼は、SNSやブログなどの運営元に行います。

炎上の元となった投稿に関しては、プロバイダ責任制限法第3条2項2号に基づいて削除依頼ができるようになっています。

該当する投稿は、運営元に認められればすぐに削除してもらえるため、そこからさらに被害が拡大するのを防ぐことが可能です。

仮に削除が認められなかった場合には、裁判所に削除における仮処分の申し立てを行うこともできます。

 

 

発信者を特定して責任を追及する

 

投稿の削除依頼が完了したら、該当の投稿の発信者を特定するため、運営元に発信者情報開示請求を行います。

発信者情報開示請求は、情報流通プラットフォーム対処法(旧:プロバイダ責任制限法)に基づいて行えるようになっています。

運営元に発信者情報開示請求を行って発信者のIPアドレスを取得したら、投稿者が活用したプロバイダを特定し、プロバイダに発信者情報開示請求をして氏名・住所・電話番号・メールアドレスなどの情報を取得しましょう。

投稿者の特定ができれば、風評被害の影響として名誉棄損や侮辱罪などで損害賠償請求といった法的措置ができます。

また、法的措置を検討しているのであれば、風評被害が発生した際に弁護士に相談しておくようにしましょう。

弁護士に相談しておけば、投稿の削除請求から発信者情報開示請求、損害賠償請求といった法的措置をスムーズに進められます。

弁護士は風評被害に関わる専門的な知識・経験が豊富です。

適切な対処法や法的手段について細かくアドバイスを受けられるので、適切に対処できます。

 

 

自社の評判を回復するためには

 

迅速な対応で影響を最小限にとどめることができても、風評被害で受けた評判はなかなか回復しない場合もあります。

風評被害で自社の評判が下がってしまった場合、評判を改善するためにも、SNSやブログなどのメディア戦略の見直しが必要です。

SNSやブログ、口コミサイト、掲示板などは、現代のビジネスでは顧客とのコミュニケーションが図れる重要なマーケティングツールと言えます。

そのため、活用を中止するのではなく、イメージ戦略を見直して顧客やユーザーの評価に対しても誠実に対応していくことが大切です。

ポジティブな発信を続けてイメージを払拭し、少しずつ評判を回復していきましょう。

メディアを通じてイメージ戦略を修正していくのもおすすめです。

 

また、イメージ回復には、顧客はもちろんですが従業員や取引先、関連企業など、あらゆるステークホルダーとの関係強化も非常に重要となってきます。

自社の評判を上げようと躍起になってイメージ回復の対象を顧客だけにしてしまうと、企業としての信頼性が低下する恐れもあります。

長期的な経営に影響を及ぼすことのないよう、積極的なコミュニケーションや改善に向けた進捗報告などは行っていくようにしましょう。

企業の信頼低下は一瞬ですが、回復には時間がかかるというのはよく耳にする言葉です。

信頼回復に向けて、努力することを忘れないようにしましょう。

 

 

 

今回は、小規模事業者向けの風評被害対策をご紹介しました。

根拠のない噂や憶測が拡散されると、企業だけでなくその周囲にまで影響が広がってしまう可能性があります。

風評被害の多くは、SNSやブログ、Webサイトなどで起こることが多いため、未然に防ぐためにもモニタリング体制構築やクライシスコミュニケーション体制の整備など、適切に対策しておく必要があります。

たとえ虚偽情報であっても、拡散されるスピードは想像以上に早いものです。

日頃から風評被害対策を講じておき、万が一に備えておくと安心です。