「BeReal.(ビーリアル)」は、現在10代~20代の若年層に人気のSNSです。
フランスで2020年1月にリリースされたSNSアプリで、加工のないありのままの画像を共有できます。
企業ではこのBeReal.を活用したマーケティングが注目されていますが、正しい知識を持って活用しなければ炎上のリスクもあるため、注意が必要です。
そこで今回は、BeReal.が注目される理由や企業が活用すべきマーケティング手法、活用する際の注意点などをご紹介します。
マーケティングとしての活用を検討している方は、参考にしてみてください。
BeReal.(ビーリアル)とは?若年層に注目される理由
BeReal.は、2020年1月のリリース以降、Z世代を中心に注目されるようになったSNSアプリです。
まずは、BeReal.の特徴と若年層に注目される理由をご紹介します。
BeReal.(ビーリアル)とは
BeReal.は、毎日1回ランダムな時間に通知が届き、その2分以内に写真を撮影して投稿することでリアルな日常の瞬間を友人やフォロワーにシェアできる画像共有SNSアプリとなっています。
撮影した写真を加工・編集せずに、「ありのまま」の瞬間をシェアすることが最大のコンセプトです。
通知から2分を超えても画像を投稿することは可能ですが、他のユーザーに何分超過したのかが表示される仕組みになっています。
投稿した画像は次の通知が届くまでは他のユーザーに見られる状態になっており、リアクションやコメントを付けることも可能ですが、24時間を過ぎると削除されます。
加工や編集をした理想の自分を投稿したり、すでに撮影している画像を投稿したりすることはできません。
加工やフィルターなどが使用できないため、リアルで自然な交流ができます。
若年層に注目される理由
2025年4月時点で、BeReal.の1日のアクティブユーザーは、世界で約4,000万人を超えています。
国内では2024年12月時点で320万円を超え、世界トップのユーザー数となっています。
そのうち、約8割が14歳~27歳のいわゆるZ世代と呼ばれる若年層となっているのです。
なぜここまでBeReal.が注目されているのでしょうか?
その理由は、これまでのSNSで当たり前だった画像や動画の加工・編集による見せかけの「映え」に疲れを感じていることが挙げられます。
心理学の専門家によると、近年は多くのユーザーとつながることができるSNSでの交流に疲れたと感じる人が増えていると言われています。
高い評価を受けて多くのユーザーに注目されようと、自分が投稿する画像や動画を映えさせるために心血を注ぎ、ユーザーからの反応に一喜一憂している人も多いです。
一方、BeReal.は自分や日常風景を加工せずにありのままの状態で投稿できるので、本当の自分を見せたいと思っている若年層のニーズに合致しているのです。
自然体のコミュニケーションを生み出すことのできるBeReal.は、他のSNSで過度に演出される利用に疲れを感じた世代にとって新たな価値観を与えることができています。
ビジネスにも活用できる!BeReal.(ビーリアル)のマーケティング手法とは
若年層に支持されているBeReal.は、ビジネスでも活用できると今企業でも注目されています。
ここでは、企業で活用できるBeReal.のマーケティング手法をご紹介します。
自社ブランドの裏側の発信ができる
普段あれば見ることのできない企業の裏側をBeReal.で見せることで、ユーザーに対して正しいブランディングができます。
例えば、日常業務や商品の企画・開発・製造過程や製造現場などの日常の写真を投稿すれば、自社とユーザーとの距離を縮め、新規顧客やリピーター増加につながります。
洋服やアクセサリーのデザインミーティングや、食品メーカーの味のテストシーンなども、ユーザーの共感を得てブランドへの理解を深めることができるでしょう。
自然なブランディングの発信
BeReal.は、リアルな日常の瞬間を共有できるSNSアプリです。
その特性を活かせば、自社の商品やサービスを利用しているユーザーの投稿を通じて、自然なブランディングの発信が可能になります。
企業がアカウントを持ってブランドを紹介するよりも、顧客が自然に自社ブランドを使う様子を見ることができれば、宣伝要素を感じさせずとも効果的なブランディングができるのです。
ユーザーの投稿から、「あの商品使ってみよう」「私も行ってみよう」と口コミが広がる可能性もあるでしょう。
限定コンテンツの提供
BeReal.の通知は、毎日1度だけでランダムな時間です。
それを利用して限定コンテンツを配信すれば、キャンペーンや新商品の紹介、フォロワー限定の特典などの提供がしやすくなります。
エンゲージメントの高いユーザー層に向けて配信できるので、長期的な顧客関係を構築できるほか、ユーザーがもっと自社ブランドを投稿してくれる可能性も高いでしょう。
ランダムな時間でのタイムリーな配信になるので、イベントや期間限定のプロモーションを発信したい時にも適しています。
企業がBeReal.(ビーリアル)を活用するメリット・デメリット
企業がBeReal.を活用することはメリットも大きい反面、デメリットも存在します。
マーケティングとして活用する前に、メリット・デメリットを十分理解しておきましょう。
BeReal. (ビーリアル)のメリット
BeReal.のメリットは、自社ブランドの裏側や自然なブランディング発信ができることで固定客やユーザーとの信頼関係を構築しやすいことです。
加工のない写真を投稿する特性上、企業は日常業務や商品の製造過程、企業に携わるスタッフの顔などを共有しやすくなります。
しかし、これらはすべて普段は決して見ることができない企業の裏側であるため、企業への親しみやブランドの忠誠度アップにもつながりやすくなるのです。
他のSNSアプリをマーケティングで活用する場合、画像や動画の撮影のための準備や編集、プロモーションなどにまとまった費用と時間がかかります。
しかし、BeReal.を活用すれば編集する必要がないため、シンプルで自然なコンテンツを発信できるのも大きなメリットです。
BeReal. (ビーリアル)のデメリット
BeReal.で画像を投稿すると、毎日リアルタイムでスピーディに拡散されます。
ありのままの自然な写真が投稿される分、ネガティブな情報が拡散される可能性もあるでしょう。
仮にネガティブな情報や虚偽の情報が拡散されれば、炎上する恐れもあります。
自社にとって身に覚えのないような内容であっても、その情報が瞬く間に広がってしまえば、ブランドイメージの低下やトラブルの元になるかもしれません。
また、BeReal.は毎日ランダムな時間に通知が届くため、タイミングやシチュエーションを考慮した投稿は困難です。
そのため、これまでのSNSアプリを活用したマーケティング手法を進めることは難しく、BeReal.に適したルールで戦略を立てる必要があります。
計画的に進めるマーケティング手法とは異なる分、上手く活用するまでには時間を要するかもしれません。
企業の活用事例
SNSを活用してマーケティングに取り組む企業は多いですが、BeReal.を活用してマーケティングに取り組むには、これまでのSNSでの活動とは異なるアプローチを行っていく必要があります。
実際にBeReal.を取り入れてマーケティングを行った企業は、どのようなアプローチ方法を実践し、成功を収められたのでしょうか?
ここからは、BeReal.の活用事例について紹介します。
KFC(ケンタッキー・フライド・チキン)
KFCでは、Instagramなどに投稿していた広告とは明らかに異なる広告をBeReal.に出稿しています。
例えばInstagramに投稿されたものは、チキンやポテトなどをアート作品のように並べており、「映え」を意識した構図が印象的です。
一方、BeReal.はテーブルの上に商品が置かれ、みんなで美味しそうに食べている写真を採用しています。
まるでBeReal.のユーザーが撮影した、日常の一部といったシーンが広告に使われているのです。
リアルを追求し、利用するユーザーも「映え」に疲れを感じているからこそ、ニーズに寄り添った広告に仕上がっています。
まさに、BeReal.で企業がマーケティングを行う際に意識すべきポイントと言えるでしょう。
Netflix
Netflixは総会員数が約3億人にも上る動画配信サービスです。
日本国内でも映画やドラマなどをPCやスマホ、スマートテレビなどから楽しめます。
そんなNetflixでは、日本国内で1日限定の特別コンテンツとして「BeReal Takeover」というキャンペーンを実施しました。
「恋愛バトルロワイヤル」という広告配信をBeReal.で行った結果、1日限定だったにも関わらず、24時間で約4,900万インプレッションを獲得し、さらにユニークユーザー数は約270万、ユニーククリック率(CTR)は6%を記録しています。
若者世代を狙った作品と広告の見せ方によって興味を引き、高いエンゲージメントの獲得に成功しています。
Abema TV
Abema TVの恋愛リアリティショー「今日、好きになりました。」では、BeReal.に公式アカウントを持っており、出演者たちの普段の姿や裏側の様子などを投稿しています。
撮影風景の様子やオフショット、番組の内容に影響するような恋愛の進展があった瞬間などがBeReal.によって切り取られていることから、番組の視聴者は出演者に親近感を抱きつつ、番組への期待も高まっていきます。
恋愛リアリティショーはBeReal.と同様に「リアルであること」が重要となってきます。
あくまで演出されていない、オフの様子も共有されることで、視聴者からの共感も得やすくなるのです。
Qoo10
国内ECモールのQoo10は、2024年12月からBeReal.に公式アカウントを開設し、さらに同月国内のECモールとして初めて企業広告も配信しました。
公式アカウントの投稿では、Qoo10のスタッフやオフィスで仕事をしている様子から、倉庫の裏側などが紹介され、さらにおすすめのアイテムやフォロワー限定のお得な情報も発信しています。
また、BeReal.で配信された広告では、Z世代に刺さるテーマを6つ選出し、広告を制作しています。
例えば大事な日の前夜にパックを使う女性のリアルな行動や、Qoo10のお得なセール「メガ割」について会議をする様子など、女性とQoo10にまつわるリアリティある行動をピックアップし、広告で取り上げていました。
これにより、元々Qoo10を利用していたユーザーには共感性を生み、まだQoo10を使ったことがないユーザーにはどんなサービスなのか、実際にお得なのか、など興味を持ってもらうことに成功しています。
BeReal.(ビーリアル)を活用する際の注意点
企業がSNSマーケティングの一環としてBeReal.を活用したい場合、いくつか気を付けておかなくてはならない点があります。
ここで、BeReal.を活用する際の注意点を紹介しましょう。
投稿スケジュールの調整が難しい
BeReal.は1日1回、ランダムなタイミングで通知が届き、その時のリアルな写真を撮影・投稿するのが大きな特徴です。
ユーザーはこのリアルタイム性に対して魅力を感じられますが、企業側にとってはいつ通知が来るかわからないため、投稿スケジュールを調整するのは困難です。
例えば、本来であれば新商品の発表やキャンペーンの開始時間を狙って、BeReal.から投稿したいものの、通知が一向に来ないというケースも考えられます。
BeReal.を活用する際には、いつ通知が来ても柔軟に対応できるよう、常に準備を整えておいたり、即時性の高いコンテンツを作成したりすると良いでしょう。
効果分析がしづらい
マーケティング活動において、施策を行ったらどれくらいの効果があったのかを分析・検証していきます。
しかし、BeReal.は比較的新しいSNSであり、FacebookやInstagramなどと同等の分析ツールまでは導入されていません。
例えば投稿によって商品のマーケティングにどれくらいの効果があったのかを正確に測定できない状況と言えます。
BeReal.で自社アカウントを運用する場合、ついフォロワー数や「いいね」の数に捉われがちですが、いずれも短期的な指標となるため、長期的な目線での運用を目指し、ユーザーとの信頼関係構築に努めましょう。
セキュリティやプライバシー関連のリスクもある
BeReal.は通知が来たらその場で写真を撮影し、すぐに投稿することになります。
担当者がオフィスで仕事をしていた場合、オフィスの中で写真を撮ることになるため、場合によっては機密性の高い情報が誤って映り込んでしまう可能性もあるでしょう。
さらに、オフィス内なら他のスタッフ、店舗ならお客様の顔が映り込んでしまい、プライバシー関連のトラブルが発生することも考えられます。
写真を投稿する前に、必ず画像やコンテンツの内容をきちんと確認しておくことが大切です。
今回は、BeReal.の特徴やメリット・デメリット、企業の活用事例、注意すべきポイントを解説してきました。
BeReal.は他のSNSとは別のアプローチ方法が必要となりますが、新たな顧客層とつながりを持てるのは大きなメリットと言えます。
実際に活用する際には上記で紹介した注意点も踏まえつつ、柔軟な戦略をもって取り組みましょう。






















