企業の自社サイトは、単なる情報発信の場ではなく、「信頼」を築くための重要な資産です。
しかし、どれほど優れた商品やサービスを提供していても、検索ユーザーに見つけてもらえなければ、その価値は十分に伝わりません。
そこで欠かせないのが、専門性や独自性を発揮しながら検索上位を狙う「コンテンツSEO戦略」です。
近年、Googleは表面的なキーワード対策よりも、ユーザーにとって本当に役立つコンテンツを高く評価する傾向を強めています。
つまり、企業が自社サイトを通じて信頼を獲得するには、ユーザー課題を深く理解し、根拠ある情報や実体験に基づくコンテンツを継続的に届けることが重要です。
この記事では、自社サイトの信頼性向上につながるコンテンツSEO戦略の基本と、どのように実践すべきかをわかりやすく解説します。

企業サイトを見て「信頼できない」と感じるユーザーも存在する

株式会社デジポケでは、300名の男女(20代~60代)に対してアンケート調査 を実施し、企業サイトを見て「このサイトは怪しい」「信頼できない」と感じた経験はあるか、またその理由も尋ねています。
選択肢と割合は以下のとおりです。

・日本語の不自然さ・品質の低さ:40.91%
・会社情報の欠如・曖昧さ:14.7%
・デザイン・レイアウトの違和感:14.7%
・価格・販促表現の異常:12.5%
・口コミ・レビューの不信感:7.95%
・運用・システム上の問題:4.55%
・その他:4.55%

このアンケート調査から、企業サイトであっても日本語の不自然さや品質の低さによって信頼できるかどうかが決まることがわかります。
また、住所や電話番号、特定商取引法に基づく表記など、一般的な企業サイトに記載されている内容が書かれていないと、不信感を覚えてしまう人が多いようです。
「自社サイトさえ作ってしまえば、顧客から信頼感を得られるだろう」と感じる人もいるかもしれませんが、きちんと中身が伴っていないと逆に不信感を抱く可能性があるので注意してください。

会社・ブランドの信頼性を高める「コンテンツSEO」とは?

コンテンツSEOとは、ユーザーに向けて価値と質の両方を兼ね備えたコンテンツを作成し、検索エンジンからの評価を挙げて検索結果の上位表示を目指す施策を指します。
一般的なSEO戦略はサイト内にキーワードを詰め込み、被リンクを大量に獲得するなど、内部対策・外部対策が重視されていました。
しかし、Googleの検索アルゴリズムが進化する中で、徐々に技術的な部分よりもユーザーファーストが評価されるようになり、より有益な情報を発信するサイトが上位表示される傾向にあります。
そのため、1つの戦略として質の高いコンテンツを作成・投稿するコンテンツSEOが活用されています。
なお、似た言葉に「コンテンツマーケティング」がありますが、こちらはSEOに限らず、あらゆる手法を使って認知度を高めていくための施策であり、コンテンツSEOとは異なります。

コンテンツSEOを取り入れるメリット

自社サイトでコンテンツSEO戦略を実行した場合、どのようなメリットが得られるのでしょうか?
続いて、コンテンツSEOを取り入れるメリットを紹介します。

長期的に集客ができる

コンテンツSEOのメリットとして、長期的な集客効果が期待できる点が挙げられます。
自社サイトからユーザーにとって価値のある、質の高い記事を投稿し続けると、そのサイトにコンテンツが徐々に蓄積されます。
投稿を開始してから間もない時期は大きな効果を感じられないかもしれませんが、一度公開した記事は常に検索サイトでも表示されることから、蓄積されたコンテンツは資産となり、長期にわたって集客効果を発揮してくれます。
また、コンテンツSEOを意識した記事によって、自然検索からコンバージョン(資料請求・お問い合わせ)につながる可能性もあるでしょう。

潜在顧客にアプローチできる

コンテンツSEOは、潜在顧客に向けてアプローチすることもできます。
具体的には、コンテンツSEOで有益な情報を継続して発信することで、検索したユーザーの目に留まれば、見込み度合いの向上につながる場合もあるでしょう。
また、検索したユーザーが自社サイトの有益な記事を読み、問題・悩みの解決につながると、そこからコンバージョンに誘導しやすくなります。

認知度が向上し、信頼性やブランド力が高まる

コンテンツSEOによって検索結果で上位表示できた場合、ユーザーの訪問者数も増えやすくなります。
Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2025」で2025年のGoogleランキング順位別クリックスルー率が公表されています。
その結果を見ると、検索順位1位のクリック率が39.8%なのに対して、検索順位2位のクリック率は18.7%、検索順位3位は10.2%のクリック率でした。
この結果から、検索結果ページの約4割は1位のページをクリックしていることがわかります。
1つのキーワードで検索したユーザーが10万人いた場合、4万人が検索順位1位のページを見ていることになるため、自然と認知度も向上していくでしょう。
また、検索順位が1位にある=信頼できるという認識もあることから、上位表示によって信頼性やブランド力を高めることも可能です。

拡散される可能性が高い

有益な情報は自分だけでなく他の人にも教えたいと考えるものです。
そのため、コンテンツSEOで有益な情報を発信すると、SNSなどで拡散され、認知度がさらに向上する可能性が考えられます。
拡散性を高めるために、コンテンツにSNSの共有ボタンなども設置しておくと良いでしょう。
また、業界の著名人や有名企業から自社で制作したコンテンツについて拡散されると、さらにユーザーの認知度は高まり、コンバージョンも獲得しやすくなります。

信頼性が高まるコンテンツを作成する方法

コンテンツSEO戦略を行う上で重要なのが、有用かつ信頼性の高いコンテンツを作成することです。
ここで、信頼性が高まるコンテンツを作成する方法を紹介します。

1.目的を設定する

まずはコンテンツSEOの目的を設定します。
コンテンツSEOの目的は、主に「売上の増加」または「認知度の向上」が挙げられますが、それぞれ狙うキーワードやターゲット、戦略などが違ってきます。
例えば売上の増加を目的としている場合、見込み顧客や新規顧客数の増加、CV率の増加などが目標となります。
CV率を増やしたい場合は、CV率の増加を意識したコンテンツを制作しなくてはなりません。
アクセス数が増えたとしても、コンバージョンにつながらなければ売上増加という目的を達成するのも難しいです。
こういった理由から、まずは目的を設定し、コンテンツ制作の大まかな方向性を決めることが重要となります。

2.ペルソナを設定する

目的を定めたら、次にペルソナを設定します。
ペルソナとは、自社の商品・サービスを利用する典型的なユーザー像を指します。
ターゲットと似ていますが、ペルソナの方がより詳細に人物像を設定していきます。
例えばターゲットでは30代・男性・営業職と簡単な設定だけを行いますが、ペルソナでは年齢や性別、職業に加え、住所(居住地域)、年収、家族構成、学歴、趣味、休日の過ごし方、現在抱えている悩みなどを決めます。
ペルソナを設定する時は企業側の都合で決めるのではなく、一次情報を収集し、データに基づいて人物像を設定することが重要です。

3.キーワードを選定する

次に目的やペルソナに合わせてキーワード選定を行います。
まずはキーワードの洗い出しから始まり、狙いたいキーワードの優先順位を決めましょう。
キーワードの洗い出しは自社ですでに獲得しているものだけでなく、競合が獲得しているキーワードや自社と競合のどちらも獲得できていないキーワードなども把握してください。
選定したキーワードは記事間で重複することのないように、分野などでカテゴリ分けをしておくと良いでしょう。

4.構成・本文の作成

キーワードを選定したら、いよいよ構成と本文の作成に移行します。
ユーザーの検索意図を考慮しつつ、キーワードも含めたタイトル・見出しを作成しましょう。
構成を作成できたら、その見出しに合わせて本文を書いていきます。
情報を詰め込むことも重要ですが、ユーザーの離脱を避けるためにも、読みやすいレイアウトや誰でもわかりやすい表現を心がけてください。

5.効果検証・リライト

記事を公開したらそれで終わりではありません。
公開後は検索順位や流入数、ユーザーの滞在時間、クリック率などを確認し、実際に効果が出ているか検証をします。
想定よりも効果がなかった場合、記事の見直しや別のキーワードに差し替えるなど改善に取り組みましょう。
また、検索上位に入っていない記事や情報が古くなった記事については、定期的にリライト・更新をするようにしてください。

コンテンツSEO戦略で注意すべきこと

コンテンツSEO戦略で特に注意したいことは、ユーザー目線の記事になっていないことです。
SEOを意識しすぎると、検索エンジンからの評価が高いだけの記事が完成してしまいます。
これでも検索結果の上位に表示されやすいですが、この記事を見たユーザーの満足度は低く、結果的に検索順位まで下がってしまう可能性が高いです。
そのため、コンテンツは必ずユーザーにとって有益であり、読みやすいものを目指すことが重要となります。
また、コンテンツがたくさん蓄積されればその分資産にもなり得ますが、質の低いものを量産しても意味がありません。
質の低い記事を量産すると、かえって評価が下がり、ユーザーからの信頼性もなくなってしまう可能性があるので注意してください。

 

今回は、自社サイトの信頼性向上につながるコンテンツSEO戦略の基本と実践方法について紹介してきました。
コンテンツSEOを正しく実践することで、自社の信頼度が向上し、ユーザーからの高い評価にもつながります。
コンテンツSEOは長期的に良質なコンテンツを提供し続ける必要があるため、リソースを確保した上で取り組むようにしましょう。