ネット上での悪評や誹謗中傷への対応など、風評対策の費用対効果は「売上をどの程度増やせるか」ではなく、「放置した場合に発生する損失をどれだけ防げるか」という視点で算出します。
対策をしないことで失う損失が対策費用を上回る場合、費用対効果が高いと判断できます。
今回は、風評対策における費用対効果の考え方や手法ごとの費用相場と効果、効果を最大化するためのポイントなどを解説していきます。
費用対効果を高めた施策を実行したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

風評対策での費用対効果の考え方

費用対効果には様々な指標がありますが、投資に対してどれほどの収益や利益が出たのかを利益率で算出するROIは、費用対効果の中でも使われることが高い指標です。
算出方法は、以下の通りです。

「(防げた損失額-風評対策の費用)÷対策費用×100」

防げた損失額は、悪評やネガティブな口コミが放置されたことで失われると想定される売上や利益を指します。
例えば、炎上による売上の減少や採用活動の辞退による損失、取引停止などです。
その他にも、検索順位が低下したことでアクセス数の低下が発生し、それに伴う問い合わせや購買の減少予測値などが当てはまります。
対策費用は、専門業者に支払う費用の他、社内リソースを割く場合の担当者の人件費などです。
また、対策では以下のような損失をどこまで防げるかが焦点となります。

・採用コスト
求職者の多くが、企業への応募や内定承諾の前にネットを活用して企業に対する口コミや情報を集めます。
「企業名+ブラック」「企業名+不祥事」「企業名+掲示板」などのキーワードで検索し、ネガティブな情報があまりに多いようであれば、内定の辞退や応募を辞めるといった選択肢が生まれます。
例えば、年間で5人の採用を計画している企業がいたとします。
悪評やネガティブな情報で応募控えや内定の辞退が発生し、採用枠が3人しか埋まらなかった場合、2人分の不足を補うためにも求人広告を出す他、人材紹介会社を利用するなどの追加策が必要です。
もし、1人あたりの採用コストが100万円だった場合には、損失は200万円になります。
対策で年間100万円の費用がかかれば、200万円の損失が防げるので、投資対効果は200%となります。

・営業や売上機会の損失
新規の取引客や個人客が契約をする前に評判検索やコンプライアンスチェックを行い、ネガティブな情報を見つけてしまうと、取引の停止やサービスの利用をやめるといった懸念があります。
例えば、平均単価50万円のサービスを提供していた中で悪評が発生し、競合への乗り換えや取引停止などが月に2件発生すると、年間で1,200万円もの機会損失が生まれてしまいます。
対策をせずに放置をすれば、損失が増える可能性があるため注意してください。

・広告費の無駄遣い
毎月多くの費用を捻出して広告を出して認知を広げても、検索結果に悪評があればコンバージョン率は著しく低下してしまいます。
これは、バケツの底に穴があいている状態で水を注いでいるのと同じです。
広告を出している意味が全くないため、風評対策によって穴を塞ぐ必要があります。
穴を塞ぐことができれば、既存の広告の費用対効果が改善するため、「広告を出しても効果がない」と感じているなら、まずは風評対策から始めることを検討してみてください。

風評対策の手法ごとの費用相場と効果

ここからは、風評対策の種類ごとの費用の目安や期待できる効果をご紹介します。

対策内容 費用の目安 期待できる効果
モニタリング 月額5万円~20万円 炎上や風評の早期発見

被害拡大の防止

サジェスト対策 月額3万円~20万円 検索時のネガティブキーワードの非表示や抑制
逆SEO対策 月額10万円~20万円 ネガティブな情報を載せているサイトの検索順位を下げて、自社のポジティブな情報を上位表示させる
削除請求(弁護士への依頼) 1件あたり数万円~

(着手金有り)

悪質な書き込みの削除

風評対策といっても様々な種類の対策方法があります。
モニタリングは、炎上や風評を早期発見するために役立つ施策です。
被害拡大を防ぐためにも費用効果が高い予防策と言えます。
また、サジェスト対策は、ネガティブな関連ワードの表示を抑えるために使われる手法です。
レピュテーションの低下を防ぐ役割があります。
手法によって費用が異なるだけではなく、効果にも違いがあるため、自社が持つリスクや風評の内容に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。

風評対策の効果を最大化するためのポイント

風評対策における効果を最大化するためにも、以下のポイントを押さえる必要があります。
効果を高める戦略で風評によるリスクを抑えた経営を目指していきましょう。

早期発見・早期対応が重要

風評は放置すると問題が大きくなる可能性があります。
ネガティブな口コミや悪評などを発見した際、「そのうち収まるだろう」「放っておけば飽きるだろう」などと安易に考えていると危険です。
放置されている間に拡散すれば、多くの人の目に悪評が留まります。
まとめサイトに転載すれば、対策に必要なコストも跳ね上がってしまいます。
問題を大きくしないため、コストを上げないためにも、早期発見と早期対応は重要です。
ツールや専門業者への依頼でモニタリングを行い、即座に対応することが、最大のコスト削減へとつながるはずです。

予防策を重視する

炎上や悪評を発生させないためにも、予防策に注力しましょう。
予防策としては以下が挙げられます。

・社内のSNSポリシーの策定
・従業員教育
・公式情報の拡充
・顧客満足度向上
・働きやすい環境づくり

SNS上での炎上は、従業員による不適切な投稿から発生するケースもあります。
そのため、具体的なソーシャルメディアポリシーや運用ガイドラインの作成、定期的な研修を行うことで、炎上問題の抑制効果が期待できます。
また、公式サイトや採用ページ、プレスリリースなど、検索結果の上位を自社発信の正確な情報で埋めれば、ネガティブな記事を目立たなくすることが可能です。
悪評が目立たない土壌を作るためにも、内容を充実させましょう。
商品やサービスの質を高めることも防御策の1つです。
実店舗での対応だけではなく、口コミへの返信でも誠実な姿勢を見せることで顧客からの評価を上げることができます。
また、自社で働いている従業員からの評価をアップさせるのも有効な手段です。
残業が多い、有給を取得しにくいなど、ネガティブな口コミが多いと、世間からの評価が下がってしまいます。
採用活動の難航につながるため、働きやすい環境づくりにも注力してください。

SNSやオウンドメディアの強化

公式ホームページや採用サイト、XやInstagramなどの公式SNSなどを普段から積極的に運用するのも費用対効果を最大化するためのポイントです。
「自社名+評判」「自社名+安全性」など、ポジティブなキーワードを網羅したページを作成してアップしていくことで、ネガティブなサイトの上位表示を防ぐことが可能です。
また、その際には品質評価基準の「E-E-A-T」を満たす内容であることも重要です。

・E(Experience:経験)一次情報に基づく内容や体験談
・E(Expertise:専門性)専門性のある深い知識
・A(Authoritativeness:権威性)公的機関や有識者からの引用や被リンク
・T(Trust:信頼性)運用者情報の明記、セキュリティの確保、内容が正確

上記を意識してコンテンツを制作し、信頼されるサイトを目指していきましょう。

風評対策の費用対効果について解説してきました。
放置をすれば損失が増え、問題がより大きくなる可能性があります。
対策によって費用や期待できる効果は異なるので、自社に合った方法で対策を施していきましょう。
その際には、専門的な知識を持つ専門の業者に依頼をすることで問題解決をスムーズに目指せます。
適切な対策内容の提案もしてくれるため、自社で問題解決を図ることが難しい場合には、一度相談をしてみましょう。