風評被害や誹謗中傷が発生すると、これまで積み上げてきた信頼は大きく崩れ、売上低下や採用難など、会社存続の危機にまで影響が及ぶ可能性が高いです。
ステークホルダーとの強固な信頼関係を構築しても、誹謗中傷でそれが崩れてしまえば、信頼回復には長い時間がかかります。
当記事では、長期的に信頼を回復する方法をご紹介します。
誹謗中傷対策としてステークホルダーとの信頼関係を維持したい方や、名誉を回復させたい方などはぜひ参考にしてください。

信頼の失墜は初動対応が大きく左右する

SNSや口コミサイトなどで誹謗中傷が発生した場合、企業はブランド価値や社会的評価の低下などに影響が出ないよう、速やかに対処しなければなりません。
しかし、この時の初動対応が遅れたり、間違った対応をしてしまったりすると、それまで構築してきた信頼関係が崩れてしまう可能性があります。
特に誹謗中傷発生時に避けたいのは、誹謗中傷の火種となった投稿者や拡散した加害者への反論です。
SNSや口コミサイトで発生する誹謗中傷は、事実無根の噂や虚偽情報が原因になっていることも多いです。
しかし、たとえ炎上の原因が事実無根の内容だったとしても、SNSや口コミサイト、掲示板などでは匿名性が高いため、反論しても正当な議論はできません。
むしろ、誹謗中傷の加害者に反論したことでさらに炎上が発展し、被害が拡大する可能性もあります。
炎上発生時は大きな影響が出ていなかったとしても、さらに情報が拡散すれば誹謗中傷が加速し、事業存続の危機に陥ってしまう恐れもあるでしょう。
SNSやネット上では、筋の通った正当な議論をする場はないことを十分に理解し、適切に対処する必要があります。

長期的に信頼を回復するには

誹謗中傷で低下した信頼を回復することは、決して不可能ではありません。
ここでは、長期的に信頼を回復する方法をご紹介します。

社内の情報共有や対話

誹謗中傷により企業の信頼が低下すると、社内では混乱が起き、不確実な情報が生まれやすくなります。
従業員による憶測や社外の情報の影響による噂が広まれば、社外からだけでなく組織内でも信頼が失われていきます。
だからこそ、経営陣が状況や今後の対応を直接従業員に説明し、組織内で広がる不安を取り除く必要があるのです。
質疑応答の時間を設ければ、従業員一人ひとりの声に耳を傾けてもらえるという安心感も生まれるはずです。
また、信頼回復に向けた取り組みの詳細や進捗も数値を交えてその都度共有することも大切です。

信頼指標を軸に組織のオペレーションシステムを進める

信頼が失われると、顧客離れによる売上低下が懸念されます。
しかし、だからといって短期の利益や効率を優先するのではなく、信頼形成に関わる成果を軸とした組織のオペレーションシステムへと変更する必要があります。
具体的には、顧客満足度向上のための目標指数やクレーム処理の平均日数などです。
従業員が想起しやすい具体的な概念にアップデートすることで、現在優先すべき事象が明確になり組織全体で信頼を測るための経営が可能になります。
利益から信頼へと軸を変えるだけで、企業の体質が転換されます。

透明性の高い情報発信の継続

誹謗中傷発生時は、透明性の高い情報開示が必要不可欠です。
ただ、初動対応として単発的に情報発信するのではなく、継続することが重要です。
一度炎上が発生すると、問題の原因や事実の整理、改善策などが不透明になりやすく、憶測や噂などの尾ひれが付き、さらに被害が拡大する可能性があります。
だからこそ、事実と憶測を整理したうえで明確な情報を発信し、再発防止につながる改善策や進捗なども継続的に発信していく必要があるのです。
透明性の高い情報発信を続けるには、いつ誰が何を発信するのか、計画的に実行し、定期的に確認しながら進めていくことが大切です。

被害者の救済

炎上の原因が従業員の不祥事だった場合、誹謗中傷による被害者がいる可能性もあります。
被害者がいる場合は、組織内の混乱や説明責任よりも先に被害者の救済に目を向ける必要があります。
被害者に誠実な対応をとるには、補償・安全確保・影響の範囲・再発防止策などを具体的に示し、進捗が誰にでもわかるよう取り組むことが大切です。
まずは被害者の安心を最優先にしたうえで、それを可視化していくことが信頼回復につながります。

炎上の収束に向けたアクションをとることも大切

誹謗中傷でステークホルダーの信頼関係を低下させないようにするためには、リスク発生時の初動対応が重要です。
炎上を収束させるために、迅速かつ適切な対処をしていきましょう。
ここでは、収束につながる具体的なアクションについて解説します。

正確な調査と情報開示の徹底

誹謗中傷発生直後は、初動対応と並行しながら問題の根本となる原因を迅速に調査し、証拠の保全や関係者への聞き取りをしたうえで情報開示する必要があります。
情報開示では、炎上の発生原因・経緯・再発防止策まで丁寧に、そして具体的に説明しなければなりません。

ステークホルダー別にコミュニケーションをとる

炎上による誤解や不安を取り除くには、ステークホルダー別のコミュニケーションが鍵となります。
企業には、顧客をはじめ取引先や地域社会、従業員など様々なステークホルダーがいます。
企業が持続可能な経営を行うためには、ステークホルダーとの関係性を重視するマネジメント活動が必要不可欠です。
誹謗中傷発生時には、それぞれのステークホルダーに合わせた説明や謝罪を行い、現状と今後の再発防止策を丁寧に伝える必要があります。

危機管理マニュアルによる社内統制

誹謗中傷が発生したら、自社のSNSアカウントやホームページなどの発信を一時的に中止し、曖昧な発信や説明で炎上は長期化しないよう注意しなければなりません。
この時、リスク発生時のための危機管理マニュアルを策定しておき、組織として一貫した対応がとれるよう社内統制しておくと良いでしょう。
事前に危機管理マニュアルによる社内統制をしておくことで、情報を小出しにしたり曖昧な発信をしたりと誤解や不安を生じさせるリスクもなくなります。

第三者となる専門家に相談

誹謗中傷が発生すると、自社では対応が困難な状況に直面する場合も多いです。
そんな時のために、専門家に相談できる体制を整備しておくことも重要です。
専門家による助言があるだけで、客観的で冷静かつ的確な判断がしやすくなります。
従業員数が少ない企業では、誹謗中傷における対応やノウハウも限られたものになり、危機対応が困難になることも多いでしょう。
また、専門家にSNSやWebのモニタリングを依頼するのも有効な手段です。
炎上の収束や再燃防止には、自社に関するネガティブ発言や炎上の火種の早期発見と対処を継続していかなければなりません。
モニタリングを依頼すれば、専門的な知識やノウハウがなくても経営判断に安心材料を提供しやすく、信頼回復の成果も測りやすくなります。

企業が失った信頼を回復するには、ステークホルダーへの長期的なアプローチが必要になります。
経営基盤の見直しや透明性の高い情報発信、ステークホルダー別の誠実な対応は、信頼回復につながる重要なアクションと言えます。
困難な状況に直面することを懸念している場合は、第三者である専門家に相談し、助言を得ることも有効な手段です。
企業の社会的評価の低下や経済的なダメージを最小限にするためにも、事前の誹謗中傷対策を進めていきましょう。