顧客対応の仕方や従業員の不祥事、不適切なSNS投稿などが「火の粉」となり、大きく広がることで炎上騒ぎに発展します。
一度炎上すれば企業のイメージは深刻なダメージを受け、マイナスな印象を多くの方々に植え付けてしまいます。
ブランドイメージの失墜、さらには顧客離れや売上の減少、株価の下落や従業員の離職など、様々な影響があるはずです。
炎上による影響は長く、例え騒動が鎮静化してもデジタルタトゥーとして残るため、企業にとっては大きなダメージとなります。
こうした時代を招かないためにも、企業はレピュテーション対策に取り組む必要があります。
火がついてから消すことは難しいため、「火種を作らない環境づくり」が大切です。
そこで今回は、火種を作らない予防策に加え、煙を察知する体制や万が一のための体制構築について解説していきます。
炎上によるダメージを防ぐためにも、ぜひ参考にしてください。

火種を作らないための予防策①:ガイドライン策定

炎上の多くは個人のリテラシー不足や「大丈夫だろう」といった油断から生まれます。
レピュテーションの低下を防ぐため、従業員個人による炎上を避けるためにも、ガイドラインの策定は必須です。
ガイドラインに盛り込むべき内容は以下の通りです。

・運用の目的や対象者
ブランドの保護や従業員の自覚向上など、何のためのガイドラインなのかを定義し、その内容を盛り込みましょう。
また、従業員や役員、業務委託など、対象者の範囲も明示してください。
対象者を決めることで、「自分には関係ない」と考える人を減らすことができます。

・公式アカウントの投稿ルール
SNSの公式アカウントを所有している企業は多いはずです。
最新情報やお知らせを投稿できる他、ユーザーとコミュニケーションを図ることもできます。
多数いる登録者に対して一斉配信や自動応答ができる他、クーポンの配布も行えるため、販促にも特化しています。
しかし、内容によっては炎上騒ぎへと発展するケースもあるため注意が必要です。
炎上を起こさないためにも、投稿ルールを定めることは重要です。
SNSを更新する目的や従業員が投稿する際の禁止事項などは、しっかりと定めておきましょう。

・個人向けSNS投稿ルール
従業員個人がSNSのアカウントを持っているケースも多いです。
時には企業内部の個人情報がSNS上に拡散し、大きな問題へと発展することもあるので注意が必要です。
投稿する際の注意事項や個人情報の取り扱いなど、あらかじめルールを設けるようにしましょう。

・避けるべきテーマ
炎上は以下のようなテーマで発生するケースが多いです。

【差別や偏見と捉えられるテーマ】ジェンダーや人種、宗教や体型、年齢に関する表現
【比較広告の行き過ぎ】他社を下げて自社を上げるような表現
【不謹慎と捉えられるテーマ】事件や災害、時事問題への便乗など

上記に触れるような投稿をする場合には、複数人でのチェック体制を設けるなど、日ごろから体制を整えることが重要です。

火種を作らないための予防策②:教育

ガイドラインを構築するだけでは意味がありません。
従業員に周知をし、加えて教育体制を整えることでリテラシー不足を補え、炎上を防ぐことにつながります。
従業員教育における具体策は以下の通りです。

・SNSリテラシーと情報漏洩対策
業務中の悪ふざけや不適切発言などをSNS上にアップすることで、企業の信頼が損なわれるリスクがあることを周知します。
また、顧客情報や未発表の情報など、機密情報の取り扱いについても教育する必要があります。
位置情報が特定される写真の投稿による重大な影響についても周知が必要です。
中には「個人のSNSであれば問題ない」と考える従業員もいます。
しかし、企業名が特定されれば大きな問題へと発展する可能性があるため、レピュテーションリスクについても自覚させることが大切です。

・カスタマー対応やモラル教育
SNS上での炎上は顧客対応が要因になるケースもあります。
クレーム対応の悪さや顧客対応の不手際を抑えるためにも、誠実な対応の重要性を指導しましょう。
また、接客態度は「企業の看板」を背負っていることを意識させることも重要です。
高圧的な態度ややる気のない接客などが炎上の火種となるケースは多いです。
企業の一員であることの自覚を持ち、普段の言動や行動が重要である点も伝えていきましょう。

・コンプライアンスや法令遵守の徹底
著作権や肖像権など、無断転載や違法ダウンロードの危険性を伝える他、ハラスメントの防止も重要です。
パワハラやセクハラが内部告発されて炎上するリスクもあるため、日常やビジネスにおけるコンプラ違反について学ぶ機会を設けることで火種を防ぐことができます。

 

煙を察知する「モニタリング体制」

炎上は初期対応が遅くなれば遅くなるほど、大きな問題へと発展してしまいます。
被害を最小限に食い止めるためにも炎上となる煙をいち早く検知するモニタリング体制の構築はリスク対策として重要です。

・エゴサーチのルーティン化
企業名やブランド名、商品名やサービス名、役員の名前など、キーワードで検索して炎上の火種となるような投稿がないかチェックする体制を整えましょう。
「企業名 ブラック」「企業名 やばい」「企業名 不祥事」「商品名 最悪」「サービス名 意味ない」など、ネガティブワードで検索をすると、早期検知がしやすくなります。

・アラートツールの活用
「Googleアラート」といった無料で使えるツールや有料のソーシャルリスニングツールを導入すれば、休日や夜間でも異常を検知してくれます。
ネガティブな投稿を常時監視してくれるツールで、炎上の兆候となるワードを早期発見して警告してくれるサービスです。
迅速な対応に役立つので、活用を検討してみてください。

万が一のための「危機管理体制の構築」

予防を徹底していたとしても、予期せぬ誤解や不祥事によって炎上が起こる可能性があります。
「火種を見つけてから対策方法を検討する」では対応が遅く大炎上につながるため、あらかじめ対応策を検討しておくことが大切です。
問題が発生した際の対応の流れや担当する人材などを決めておきましょう。
また、ネガティブな投稿を発見した際の初動対応マニュアルを作成することも大切です。
すぐにでも対応が必要なのか、静観すべきなのかを判断する基準を決めることで、迷いによる対応遅れを防ぐことができます。

炎上のレベルと状態 状況の目安 初動対応
レベル1

【静観・注視】

・個人による独り言

・フォロワーが少ない

・拡散数が少ない

・DMを活用した個人対応

・推移の監視

レベル2

【要対応】

・インフルエンサーに捕捉された

・まとめサイトに掲載され始めた

・経営層に報告

・事実関係の調査

・公式会見の準備

レベル3

【危機発生】

・メディアから問い合わせを受けた

・トレンド入りした

・緊急対策本部の設置

・公式SNSで第一報の発信

上記を参考に、初動対応を検討していきましょう。
ただし、静観している最中に一気に炎上するケースもあります。
その場合でもすぐに行動に移せるよう、体制を構築しておくことが大切です。

炎上によるレピュテーションリスクを抑えるためにも、火種を作らないための予防策や煙を察知する体制の構築は重要です。
そして、万が一のためにも危機管理体制を構築しておく必要があります。
炎上が大きくなればなるほど企業への影響も大きくなるため、事前対策を徹底することが大切です。
その際には、今回ご紹介した内容を参考に対策方法を検討してみてください。