どんな企業でも標的となり得るのが誹謗中傷です。
誹謗中傷が起こると売り上げの減少や業績の悪化など、深刻な被害をもたらすため、迅速な対応が求められます。
しかし正しい対処法を知らないという人も少なくありません。
そこで、誹謗中傷が企業に及ぼす影響や、被害に遭った際の対処法について解説します。
誹謗中傷の問題点
誹謗中傷とは、根拠のない悪口を言い、相手の社会的な評価を下げたり、名誉を傷つけたりする行為です。
誹謗中傷そのものは以前より存在していましたが、近ごろはSNSが普及したことで誰でも気軽に情報発信ができるようになり、拡散力の高さから深刻な問題に発展するケースも見受けられるようになってきました。
誹謗中傷は個人だけでなく組織も標的になります。
企業が受ける誹謗中傷の問題点はどのようなものがあるでしょうか。
問題が大きくなりやすい
相手の悪口を言いふらす、ビラを撒くなどの行為は以前よりありました。
その多くが直接的な行動で、影響は限定的だったといえるでしょう。
しかし時代の変化に応じるように誹謗中傷の場はネットが中心となってしまいます。
ネット記事やSNSによる投稿は半永久的に残り、いつまでも人の目にさらされ続けます。
さらにそれらの情報はSNSで簡単に拡散されるので、ごく限定的なちょっとしたトラブルでは済まされない問題に発展しやすい状況になりました。
対応を間違えると炎上することも
SNSの拡散力は、企業の知名度アップや商品のPRなどをする際にはとても心強いものです。
それゆえに誹謗中傷が起きた場合は慎重な行動が求められます。
対応を間違えてしまうとあっという間に炎上するでしょう。
SNSでひとたび炎上が起こると、企業サイトや公式アカウントなどの粗探しが始まるなど、大問題に発展するおそれがあります。
事実かどうかは関係ない
誹謗中傷による炎上が起こると生まれるのが意見の対立です。
「そんな事実はない」とする意見と「火のない所に煙は立たない」とする意見が真っ向からぶつかり合い、収拾がつかなくなります。
一部の人はただ炎上させたいだけなので憶測で批判したり、根拠のない情報を出してきたりして長引かせようとします。
いつまでも騒動が沈静化しない状況は企業の評価に大きな影響を与えるでしょう。
企業に向けられる誹謗中傷とは
個人に対する誹謗中傷は、「キモい」「ブス」「バカっぽそう」「消えろ」などといった容姿や言動への直接的な悪口も多いです。
では企業に対してはどうでしょうか?
誹謗中傷となりうる例をみてみましょう。
◎電話対応が適当でムカつく
◎内容量をこっそり減らしていて悪質
◎経営者一族は全員ケチで有名
◎商品に虫が入っていた!二度と買わない
◎ここの社員はいつも偉そうで嫌い
◎地元ではみんなブラック企業だと知っている
このように、企業に向けられる誹謗中傷は商品やサービス、経営者、社員などあらゆるものが対象となりやすいです。
「事実ではないから」と放っておくと話に尾ひれが付き、炎上するなど思わぬ不利益を被るおそれがあります。
誹謗中傷による企業への影響
企業が誹謗中傷を受けることで想定される影響は次の通りです。
◎売り上げに影響する
◎株価が下がる
◎企業イメージが悪化する
◎離職者が増加する
◎求人への応募者が減る
それぞれみていきましょう。
売り上げに影響する
誹謗中傷から不買運動を呼びかける動きが出る場合があります。
不買運動が話題になると、書き込まれた内容が事実かどうかよりも企業へのマイナス感情から顧客離れが起き始め、売り上げの減少につながります。
誹謗中傷に対する対応が遅れれば遅れるほど業績への影響が大きくなるでしょう。
株価が下がる
誹謗中傷が企業の株価に影響する懸念もあります。
投資家は世論を先読みして慎重に投資先を決めるため、時事情報には敏感です。
誹謗中傷による炎上騒ぎが起きた企業を注視するのはもちろん、その後の対応次第では引き上げることも検討するでしょう。
出遅れると損失が出ることもあるため、早々に手を引く投資家も多いです。
企業イメージが悪化する
誹謗中傷への対応が遅れたり、怠ったりすると企業イメージの悪化につながります。
多くの人は誹謗中傷の正確さではなく、拡散された情報を企業への印象ととらえがちです。
最終的に企業には何の落ち度もなかったことが判明したとしても、最初に拡散された情報がイメージとして先行するので、悪印象が強くなります。
一度でも嫌な感情を抱いてしまうとその企業の商品やサービスは避けるようになってしまい、売り上げの減少にもつながります。
離職者が増加する
企業への誹謗中傷は、そこで働く社員にも影響します。
家族や知人の前で肩身の狭い思いをするだけでなく、「あの企業で働いているらしい」などと非難されることもあるでしょう。
顧客と接する機会のあるサービス業であれば業務中に嫌な思いをすることも。
誹謗中傷そのものというよりも、それに付随したストレスにより離職する社員が増えるおそれがあります。
求人への応募者が減る
誹謗中傷により売り上げが落ちている、株価が下がった、離職者が後を絶たないなどの情報は、就職を考える人にとってマイナスでしかありません。
たとえ求人が出ていたとしてもそんな企業に応募しようとは思わないでしょう。
離職者の増加に伴い、積極的な採用活動が求められる状況において応募者が減ってしまうのはかなりの痛手といえます。
仮に内定が出たとしても辞退されるおそれもあり、人材の確保が課題となるでしょう。
誹謗中傷への対処法
誹謗中傷への対応を間違えると被害が拡大します。
スピーディーに効率よく対処するには専門家への依頼が確実です。
では、実際に誹謗中傷を受けた際、どのような対応をしたらいいのでしょうか。
誹謗中傷への対処法は次の通りです。
◎状況を正しく把握する
◎誹謗中傷の証拠を保存する
◎弁護士に相談する
◎警察に相談する
◎対策業者に相談する
それぞれみていきましょう。
状況を正しく把握する
まずは状況確認です。
誹謗中傷の内容を一つずつ精査していきます。
明らかにデマだと思われるものでも、実際の出来事であるケースも少なくありません。
企業として否定する声明を出したのち、やはり事実だったと判明してしまうと誹謗中傷が過熱し、収拾がつかなくなるおそれも。
先入観にとらわれず、事実確認をしっかり行いましょう。
誹謗中傷の証拠を保存する
状況確認とともに進めておきたいのが誹謗中傷の証拠を保存する作業です。
のちに弁護士や警察に相談する際に必要となるので、確実に保存しておきましょう。
書き込みに対する削除依頼も可能ですが、細心の注意が必要です。
Webサイトであれば運営元に、SNSであれば個人に直接、削除依頼をすることになりますが、文章や態度が反感を買い、さらなる炎上が起こるおそれもあります。
また、すでに情報が拡散してしまっているといくら削除しても意味がない場合も。
対処については弁護士に相談した方がいいでしょう。
弁護士に相談する
状況を正しく把握し、証拠の保存が済んだら、その後の対処は弁護士に相談するとスムーズです。
企業としての意見表明や、書き込みに対する削除依頼なども弁護士を通すことで余計なトラブルを防ぐことができるでしょう。
削除依頼をしても応じてもらえないなどの場合は法的手段を取ることも可能ですが、煩雑で専門知識が必要な手続きもすべて弁護士に任せられるので安心です。
警察に相談する
悪質な書き込みについては、警察へ相談することも検討しましょう。
被害届を出すことで刑事告訴や損害賠償請求といった法的な措置がとれます。
その際は保存しておいた証拠を資料として提出することになります。
対策業者に相談する
誹謗中傷は何らかの原因があって起こります。
放っておくと再度、誹謗中傷が起こるおそれも。
対策業者に相談することで原因を突き止め、対策を取ることで誹謗中傷の再発を防ぐことができます。
ネットやSNSの拡散力は強く、根拠のない悪口や明らかなデマでもあっという間に広がってしまいます。
誹謗中傷は企業イメージの低下だけでなく、売り上げや業績にも影響するため、迅速な対応が必要です。
しかし、対処を間違えると逆効果になってしまうおそれがあるので、弁護士や警察、対策業者などの手を借りて沈静化に努めましょう。



















