動画は、視覚と聴覚によって物事をわかりやすく伝えることができます。
さらに、短時間でたくさんの情報量を発信でき、記憶に残りやすいといったメリットもあるため、ビジネスで動画を活用するのが一般的になりました。
自社や製品・サービスのPRなどで動画を活用するのであれば、動画にもSEO対策が求められます。
しかし、本当に動画にもSEOは必要なのか、また具体的にどうSEOをしていけばいいのかわからないといった疑問を持つ方もいるでしょう。
そこで今回は動画SEOの効果ややるべき施策、注意点などについて解説するので、動画の活用する際の参考にしてください。
動画SEOは必要?取り組むことで得られる効果
動画は企業や商品・製品のPRなどに高い効果を発揮してくれるコンテンツです。
しかし、動画を見てもらえなければ、動画コンテンツを活用するメリットを得ることができません。
したがって、動画もWenサイト同様にSEOを講じて、Googleクローラーから認識されやすい状態にして、ユーザーに見てもらう機会を増やさなければなりません。
動画SEOを講じることで様々な効果が得られるので、具体的にどのようなメリットがあるのかご紹介します。
動画への検索流入が増える
動画SEOを行うことで、動画への検索流入が増える可能性があります。
世の中には類似する動画が数多くあるため、ただ制作した動画をアップロードしただけでは検索しても上位に表示されず、ユーザーに視聴してもらう機会を逃すことになるでしょう。
SEOを行えば、特定のキーワードで検索された際に動画が検索結果の上位に表示されるので、ユーザーに視聴してもらう確率が高まります。
動画からサイトへの流入数が増える
SEOによって動画を見てもらえる機会が増えれば、動画経由でサイトへの流入が増える効果も期待できます。
例えば、動画の説明文やアノテーション機能、チャンネルの基本情報などに自社サイトや関連サイト・ページのリンクを掲載すれば、そこからサイトにアクセスしてもらえる可能性があるでしょう。
短い動画広告であれば「続きはWebで」や「○○で検索」など、検索を促すシーンを盛り込み、検索流入を増やす方法もあります。
YouTube内で動画が表示されやすくなる
動画SEOを行うことで、YouTube内で動画の露出が増えることもメリットです。
YouTubeとGoogleではアルゴリズムが異なります。
しかし、運営会社が同じであることから連動性が高く、動画SEOによってYouTube内で動画が表示されやすくなる可能性が高いのです。
YouTube内で上位表示させるためには、質の高い動画コンテンツを維持しなければなりません。
クオリティの高い動画を作成して、再生数や高評価数、ポジティブなコメントなどを増やすことも大切です。
長時間サイト内に滞在してもらえる
SEOしたいWebページに関連動画を埋め込むことで、サイトへの滞在時間が長くなる可能性があります。
動画を最初から最後まで見るには、ある程度の時間がかかります。
そのため、ただテキストや画像だけのページよりも動画を視聴する時間がプラスされるので、滞在時間が自然と長くなるのです。
しかし、動画のクオリティが悪いと最後まで視聴してもらえない可能性があるので注意しましょう。
クオリティが高く、ユーザーにとって有益な動画であれば、少し時間をかけてでも視聴してもらえます。
動画のSEOが難しいと言われる理由
動画はWebサイトに比べるとSEOが難しいと言われています。
その理由は、現在のGoogleクローラーでは動画の内容からコンテンツの質を評価することができないからです。
例えば、動画のナレーションやセリフ、テロップに対策キーワードを盛り込んでも、クローラーが認識することはありません。
動画自体にSEOはできないため、上位表示させるためにはSEOのやり方に工夫が必要です。
具体的には、クローラーに認知してもらうために動画情報をテキストにする、動画を埋め込んだWebページに対してSEOするといった対策が求められます。
動画SEOでやるべき8つの施策
動画SEOは適切にやらないと効果を得ることができません。
ここで、動画SEOを成功させるためにやるべき施策を8つご紹介します。
1.対策キーワードを適切に選定する
一般的なSEOと同じく動画SEOでも対策キーワードの選定が必要です。
関連性が高いとしても対策するキーワードが多すぎると、Googleが評価をする際、元々狙いたいキーワードからずれてしまう可能性があります。
そのため、狙いたいキーワードや関連性に考慮しながらキーワードを絞り込んでおくことが大切です。
最近は複数のキーワードを組み合わせた検索に対するSEOが重視されているので、サジェストにも考慮してキーワードを選定していきましょう。
2.動画の最適化を図る
動画を上位表示させるためには、動画の最適化が必要です。
具体的に最適化が求められる部分は、動画のタイトルや説明文、ハッシュタグになります。
動画のタイトルや説明文は動画情報をテキスト化できる部分です。
対策したいキーワードや重要なキーワードを盛り込みつつ、視聴目的や動画の内容を伝えられるタイトルや説明文を作ることで、クローラーから認知されやすくなります。
タイトルは長すぎるとどんな動画なのか理解しにくいので、長くても60文字以内に収め、シンプルにわかりやすいものにするのがマストです。
また、YouTubeではハッシュタグを付けることも可能です。
ハッシュタグはタイトル上にリンク形式で表示され、それをクリックすると同じタグを付けた動画が一覧で表示されます。
つまり、特定のハッシュタグで検索された際、同じタグを付けた動画が表示されやすくなるのです。
動画内容と関連性があるタグを付ければ、動画の露出機会が増えます。
3.Webページと関連性の高い動画を掲載する
Webページに動画を埋め込む際は、必ず関連性の高い動画にしましょう。
関連性の高い動画を掲載することで、ページ全体が評価されるため、検索順位がアップする可能性があります。
逆に関連性の低い動画の埋め込みや内部・外部リンクはページの評価を下げてしまうので注意しましょう。
掲載する動画は、ページの内容を補助するような動画がおすすめです。
例えば、商品ページなら商品の使い方やお手入れ方法といった動画が適しています。
動画を埋め込む際は、Chromeが動画を識別できるように、<video>・<embed>・<iframe>・<object>などのHTMLタグを使用するようにしましょう。
4.ユーザビリティに考慮した動画形式にする
Webページに埋め込む動画は関連性だけではなく、ユーザビリティに考慮した形式を採用することも大切です。
具体的には、汎用性のある動画ファイル形式を採用しましょう。
GoogleやYouTubeでは、AVIやMOV、MPEG4といったファイル形式に対応しているので、動画はこれらの形式で製作した動画の埋め込みがおすすめです。
汎用性の低い動画ファイルは環境によっては再生できなくなるため、閲覧するユーザーにストレスを与え、またページ全体の質の低下によって評価が下がる可能性があります。
また、ユーザーが視聴しやすいように、画面サイズや表示場所、画質にも配慮が必要です。
動画の画質は高画質が好まれますが、ファイルサイズが大きくなると読み込みが遅れて再生中にところどころで止まってしまう可能性があります。
一定の画質を保ちつつも、スムーズに再生できるファイルサイズの動画を採用しましょう。
5.目を惹くサムネイルを設定する
サムネイルは、動画を再生する前に表示される画像です。
視聴者が最初に目にする部分となるため、動画のクリック率を高める上で大切な部分になります。
したがって、サムネイルはユーザーの興味を惹くものを作成し、設定しましょう。
サムネイルに使う画像は、一目見ただけでどんな内容の動画なのか伝わるものにしてください。
また、サムネイルに入力するテキストは、動画内容を示しつつも、タイトルと被り過ぎないテキストにするのがおすすめです。
タイトルとサムネイルのテキストが重複するとインパクトに欠ける可能性があります。
タイトルはシンプルに動画の内容を示し、サムネイルはタイトルの内容を補完するイメージでテキストを考えると良いでしょう。
テキストの文字はスマホユーザーを考慮して、大きいサイズにすることもポイントです。
6.ページ内の情報を充実化させる
動画を埋め込むWebページは、動画と関連性の高い情報をしっかり載せましょう。
Googleは動画のみでページの評価ができないため、ページ内のテキスト情報が評価を左右します。
対策キーワードや共起語を取り入れつつ、動画の内容や関連情報をしっかり記載しましょう。
情報が充実したWebページであれば、ユーザーにとって有益性のあると評価され、検索順位がアップする可能性があります。
7.構造化データのマークアップを行う
構造化データのマークアップとは、簡単に言えばGoogleクローラーがページ情報を理解できるように、タグを記述(マークアップ)することを指します。
タグは、HTMLを用いて記述されます。
例えば、JSON-LDやMicrodataといった記述方式で、VideoObjectのプロパティを使ってマークアップを行います。
動画の構造化データは、自力でHTMLに記述できます。
しかし、専門知識が求められるので、もっと簡単にマークアップするならGoogleが提供している構造化データマークアップ支援ツールを利用するのがおすすめです。
動画を埋め込んだページのHTMLに出力された構造化データを記述すれば、マークアップは完了です。
8.動画サイトマップを作成して送信する
動画サイトマップとは、Webサイトに掲載される動画情報を検索エンジンが理解できるようにまとめたページを指します。
動画や画像はテキストと比べて情報を検出できないため、サイトマップを用意することでGoogleに識別されやすくなるのです。
サイトマップには、動画のタイトルや説明文、再生時間、登校日、サムネイル画像のURLなどWebページに埋め込んだ動画情報を詳細に記載します。
そして、XMLフォーマットでサイトマップを作成し、Webサイトのルートディレクトリに置きましょう。
その後、サーチコンソールやウェブマスターツールを使ってサイトマップを送信すると、検索エンジンがWebサイトに埋め込まれた動画を認識してインデックスします。
この手続きを行うことで、特定のキーワードで検索した際に、検索結果に動画を埋め込んだページが表示されやすくなります。
動画SEOに取り組む際の注意点
最後に、動画SEOを取り組む上で注意したいことをご紹介します。
動画の埋め込みでサイト自体の検索順位がアップするわけではない
2017年にGoogleの社員がX(旧Twitter)にて、「動画を埋め込んだだけでは検索順位は上がらない」と発言していました。
そのため、動画の埋め込み自体がサイトやページの検索順位をアップさせる直接的な要因になるわけではないので注意しましょう。
しかし、動画の埋め込みがSEOにおいて無意味なわけではありません。
ページ内の情報と関連性が高く、動画がユーザーにとって必要な情報であれば、そのページ自体が質の高いコンテンツと認識される可能性があります。
動画SEOはあくまでも間接的に検索順位を上げるものと考えましょう。
効果を得るまでそれなりの時間がかかる
動画SEOは施策を講じてすぐに効果が出るわけではありません。
SEOを講じてから多くのユーザーに動画を視聴してもらい、評価される必要があります。
しかし、すぐにたくさんの再生回数を増やすのは容易なことではありません。
ユーザーに役立つ動画や面白い動画を地道に作って定期的に公開していけば、少しずつ再生回数は増えていくでしょう。
瞬発的な効果や成果を求めるのではなく、中長期的な目線で動画コンテンツの制作やSEOに取り組んでいくことが大切です。
まとめ
今回は動画SEOの効果や具体的な施策をご紹介しました。
動画はWebサイトと比べてSEOが難しいコンテンツであるため、Webページとの組み合わせやキーワードを意識したタイトル・説明文の作成など工夫して対策する必要があります。
また、検索エンジンに評価してもらうためには、ユーザーから評価される動画コンテンツを作り、発信していくことも大切です。
動画の再生回数やサイトへの流入を増やしたいのであれば、ご紹介した施策を参考に動画SEOに取り組んでみましょう。